新入社員は、入社1ヶ月を迎えてどのような思いで過ごしているだろう。頑張っている人がいる一方ですでにやめてしまったという人もいる。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「初日で辞める人もいるそうですね。SNSでは配属ガチャや上司ガチャなんて揶揄されているようです。実際に辞めたというポストも見られます。『ABEMA的ニュースショー』という番組では、実際に辞めた人にインタビューをしていましたね」。
最近では退職代行サービスも広く活用されているようだ。
「代行サービスはどんどん浸透している印象です。その名も『やめたらええねん』とか『モームリ』とかいうんだからすごいですよね…。我々世代には理解できない人もいるんじゃないでしょうか」。
確かにすごいネーミングセンス。労働組合や弁護士が行っているサービスもあるという。今回はそんな代行サービスを使って仕事を辞めた経験があるという男性に話を聞いた
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「僕の場合は、配属ガチャと上司ガチャでしたね」。そう話すのは斉藤拓実さん(仮名・24歳)だ。すでに2度、退職代行を活用して会社を辞めていると話す。
「退職代行サービス、すごくいいと思います。本当であればバックれちゃうところですが、このサービスがあるおかげで、なんとか普通の人間を保てていると思います。親への連絡も免れられますしね.
僕の場合は、2回とも即日会社に行かなくてよくなったので、本当に楽でしたね」。
いささか疑問も感じるが、まずはなぜ仕事を辞めたいと思ったのか話を聞いていこう。
「最初の会社は入社して、2ヶ月で辞めました。理由はいわゆる配属ガチャですね。新人研修を1ヶ月こなして、いざ配属ってなったときに営業になっちゃったんですよ。もともと企画志望で入社したので、まずそこで落胆しました。ただ、文句は言えません。地方に飛ばされていないだけマシですしね。だから2ヶ月は、頑張りました。でもどうしたって向いていなかったんです」。
たった2ヶ月で向いていない…。しかし、彼にも選ぶ権利はある。
「胃が痛くなってしまって…。でもいくら体調が悪くても庇ってくれるような人はいない会社でしたし、これじゃこの先続けても同じかなと思って、辞める決意をしました。ただ意外と辞職届って出せないんですよね。今日こそは!と思って持っていくんですが、なかなか言い出せない。なんて罵られるんだろう…そう思うと怖くなって、余計に渡せなくなるという悪循環でした」。
退職代行サービスの存在を知らなかったのだろうか?
「いやそういうサービスがあること自体は知っていましたよ。でも本当に窮地に追い込まれると視野が狭くなっているのか、全然思いつきませんでした」。
ならばなぜ、使うことになったのだろう。