スーパーカー同門対決。“セナ様”になりたいイケオジが選ぶマクラーレンはどっちだ？

しかし！　そんなマクラーレンに死角がないかと問われれば何とも返答に困ります。好敵手フェラーリ最大の魅力は美しいデザインと官能的なサウンドであり、見る者を魅了します。一方のランボルギーニにしても、大胆さと繊細さを兼ね備えた超絶スーパーなパフォーマンスと個性をもちます。いずれにせよ、一度魅了されればこの衝動は誰にも押さえられません。

マクラーレンの死角がココにあります。あまりに機能的であり、そのこだわりを理解できたとしても、心を揺さぶられる人々の割合は少ないと思います。それが英国流の美的謙虚さだとしても、クルマの性能や信頼性が高くても、世界を見渡せばマニアックな数字となってしまうのです。

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なるべく最小限の文字数でこのリアルさを表すれば、マクラーレンは組立てたばかりの白いカウルのレーシングカーです。1988年に16戦15勝を成し遂げた伝説のF1カーであるマクラーレンMP4/4にしても、A・セナの神秘的人間性と赤と白のバイトーン、マールボロカラーなくして物語は始まりません。あくまでドライバーが主役なのです。

いまマクラーレンはそのクルマ造りを急速に変革中です。2022年7月に就任した現在のCEOマイケル・ライターズ氏は、ポルシェとフェラーリで要職を務めた人物。これまでマクラーレンは「形態は機能に従う」というスタンスでしたが、「機能的なものは美しさを生む」と新たに定義づけたのです。